高齢者の転倒予防について
2025.10.1
高齢者の転倒予防について
高齢者の転倒は、家の中のちょっとした段差や、滑りやすい床、暗い廊下などで起こりやすい出来事です。
年齢とともに足腰の筋力やバランス感覚が弱まり、視力や聴力も低下するため、つまずいたときに体勢を
立て直しにくくなります。睡眠薬や降圧薬など一部の薬は、ふらつきや眠気を招くことがあり、これも転倒
のリスクを高めます。さらに、かかとが固定されないスリッパやサイズの合わない履物も危険です。
ある70代の方は、夕方の薄暗い廊下でスリッパのかかとを踏んだまま急いで歩き、敷居でつまずいて 転倒しました。股関節を痛めて入院・手術が必要になり、歩けるようになるまでに数か月かかりました。 けがの痛みや不安から外出が減り、筋力が落ちてさらに転びやすくなる「悪循環」に入りかけましたが、 家の照明を明るくし、手すりを付け、履物を見直すなどの対策で少しずつ回復しました。転倒は骨折や 打撲、頭のけがだけでなく、気持ちの落ち込みや活動量の低下にもつながるため、予防がとても大切です。
そこでおすすめしたいのが、転倒予防に役立つ日常アイテムです。
転倒予防の靴下
つま先や土踏まずのサポートで歩行も安定したり、足裏の滑り止めで踏ん張りやすく、床でツルっとしにくくなります。
ルームシューズ
かかとをしっかり包み、靴底は滑りにくい素材のものが安心です。つまずきにくい薄めのソールと、足に合うサイズ選びがポイントです。
クッション付きズボン
お尻や腰回りにパッドが入っているので、万が一の転倒時の衝撃をやわらげます。普段着として違和感の少ないデザインを選ぶと、毎日続けやすくなります。
あわせて、次の工夫も効果的です。
・家の中を明るくする(夜は足元灯や人感センサーがおすすめ)
・浴室や玄関に滑り止めを敷く、階段やトイレに手すりを設置する
・通路に物を置かない、コードをまとめる
・適度な運動(椅子からの立ち上がり、かかと上げ、片足立ちなど)を無理のない回数で続ける
・薬の影響や視力・聴力を定期的にチェックする
・室内外とも、かかとが固定される履物を選ぶ
転倒は「ちょっとした対策」で大きく減らせます。
滑りにくい靴下、安定感のあるルームシューズ、
クッション付きズボンを上手に取り入れて、毎日の安心を増やしていきましょう。